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graduate -卒業- (後編)

それはJR川崎駅を5分ほど歩いた場所にあった。

 

僕の「母校」となる場所である。

 

感慨はない。あるのは下半身に溜まった白くどよめいた欲望だけ。

これで僕は最終学歴が「高校」から「童貞」に更新される。そして、大学はまだ卒業してないから、大学さえ出てしまえば「大卒」となり、不名誉な称号はほどなく消えるだろう。完璧だ。

 

ところで、「スキーマ」という言葉がある。

スキーマとは、人間の認知過程を説明する概念である。ある物事に関する知識について似たような例が集まってくると、それらに共通したものを抽出して一般的知識として捉えることが可能になる、ということだ。

例えば我々は、知らないラーメン屋に入った時、何事もなく食事を済ませて、ラーメン屋を出ることができる。それは我々に「ラーメン屋のスキーマ」が備わっているため、はじめて入ったラーメン屋でも、大体そつなく食事ができるというわけだ。

過去に自分が経験した事象が、「スキーマ」として蓄積される。「類推」と言い換えても差し支えないかもしれない。

今の僕には、「本番のスキーマ」は疎か、「ソープのスキーマ」すら備わってなかった。「スキーマ」のない知見を得ようとするのは得てして不安なわけで、今日の日ももちろん例外ではなかった。

「卒業」に対する緊張感よりも、未知の事象に対する不安のほうが、大きかった。

 

某有名なアイドルグループの名前をもじった名前のソープの看板をくぐると、小綺麗な恰好をした男が出迎えてくれた。

僕は彼に、不安ながらもオーダーを伝えて、なけなしの17kを彼に渡した。なんとか正しく伝わったらしくて少し安堵した。

店で待機中の女の子は3人いて、写真が並んでいたが、正直どれもよく盛れていたため判断材料にはならなかった。

ストライクゾーンの広さには自信があったし、僕の知り合いがこの店を薦めていたため、不安はなかったが、どうにも決めかねたため、とりあえずBのいちばん大きい数値のポケモンオーキド博士にオーダーした。前日までHBガラルフリーザーで遊んでいたからな。

そのポケモンのNNは、何の因果か「みく」と言うらしい。いい名前だと思う。絶対エロい。

 

とにかく、オーダーを済ませた後は同じ一階の待機室に通された。1人がけソファが壁に沿って並んでおり、部屋にひとつだけあるモニターには民放のニュースが映されていた。日常と非日常のチグハグさが、妙な興奮を感じさせた。

 

ほどなくして僕は呼ばれ、案内の男に階段を登るよう促された。階段の踊り場には女の子が立っていて、それがみくちゃんだと理解した。

 

「はじめまして、よろしくお願いします。」

 

みくちゃんは僕より1歳年上で、背は150と少しくらいだった。顔は中の上くらい、カタログスペック通りの豊満な双丘で、肉感もほどよく、抱かれるためだけに品種改良されたのではないかと思うほど「風俗映え」した女だった。

2人で階段を登り、二階の浴場へ通された。

僕は恥も体裁もないので、彼女にソープも経験もはじめてという旨を伝えた。

「へえ、そうなんですね」

どうやら彼女も童貞の客とやるのははじめてだったらしい。

「緊張してる?烏龍茶飲む?」

多少は緊張していたが喉は乾いていなかったし、本番中にトイレに行きたくなったら困るので、僕は断った。

「じゃあ脱いじゃってください」

出会って3分くらいしか経ってない男に脱げなんて、なんてハレンチなんだ!そんな子に育てた覚えはありません!けしからーーーーーん!

言われるがままに服を脱いでいった。

初心者は60分コースが良いと知り合いに言われていたので僕はその通り60分コースをとっていた。開始3分即脱衣はテンポ良すぎだろ。さすがプロだな。などと感服していると、女の子も脱ぎ出した。

 

ムヒョーーーーー!

 

と叫びたくなるかと思ったが、なんかエロくなかった。10代のころ、あれだけ思い焦がれた女の子の生脱衣が、こんなにもあっさりとしてるとは思わなかった。そういえば、ここで女の子のスカートのチャックが閉まってなかったことに気づいた。

こうしてしばらく無言の時が続き、ぼーっとベッドに座っていると、

「洗い場行ってください」

と言われた。全自動入浴マシーンなんて物心ついた頃にはもう経験がない。緊張しながら椅子に座ると、彼女は真正面にしゃがみ、僕の身体を洗いはじめた。

「緊張してる?」

僕はされるがままになりながら全身震えていた。この答えには当然是と答えたのだが、単純に室内が寒かったから震えていた。彼女は僕の返事に満足すると、そのまま黙々と僕の全身をくまなく洗い続けた。

「洗い終わったので先湯船に入ってください」

座って腰上くらいの水位のぬるま湯に浸からされた。彼女が自分の身体を洗ってる間、ぼーっと彼女を眺めていた。

やがて彼女が洗い終えると、彼女も湯船に入ってきた。そうか、一緒に入るのか。だから水位が低いのか。それでも水位は肩が出るくらいだった。

「ぬるいね」

そうだな、君の膣内で早く暖めてほしい。人は反省する生き物なので、こんなこともちろん言わなかったので、適当に相槌を打った。

 

「今日はどこから来たの?」

葛飾区から来ました。

「かくしかって、どこだっけ?」

千葉に一番近い東京です。

「えっと、かくしかって有名な駅あったよね?えっと確か南千住とか?」

そうですね、その辺です。北千住駅とかのあたりです。

「いや北千住は足立区でしょ?」

あーそうでしたね。

 

じゃあ南千住は荒川だろ!なんて言わない。と言うかこの話そんなに広がらないだろ。適当に相槌打ちながら彼女が葛飾区についてしばらく思いを馳せている様子を眺めていた。

 

その後も入浴しながらもいくつか中身のない会話をしばらくしていた、というか聞いていたが、とうとう彼女は最後まで葛飾を「かくしか」としか言えなかった。

 

「そろそろ上がろっか」

身体を拭いて、僕らはベッドに向かった。時計を見ると、残り時間は25分といったところだった。分かっていたが、入浴の雑談で時間を潰すマニュアルなのだろう。

「寝て」

寝た。彼女が隣に来た。

「はじめよっか」

返事をする間もなく彼女は唇を合わせてきた。

 

初めてのキスは、無味だった。というか、舌を絡ませていないのでノーカンな気がする。こうして僕の口の貞操は守られたわけだ(?)

 

ほどなくして彼女は僕の乳首を舐め出した。僕は開発とかしてないので全く気持ちよくなかったが、テンポを崩すのも悪いかなと思い、されるがまま、軽く自ずから慰めていた。

乳首に飽いたら、彼女はいよいよ僕のを握ってきた。が、気づいてると思うがこの時僕はかなり冷静になってて、充填率50%と言ったところだった。それでも触られるのはやはり今まででいちばん気持ち良く、少しずつエネルギーが充填されていった。

「そろそろ挿れる?」

久々に彼女が口にした言葉はいよいよ僕の卒業の鐘が鳴ったことを意味していた。時間も残り15分くらいなので、僕は二つ返事で承諾した。

 

ガチのはじめてだったので、騎乗位になった。

「いけるかな」

そんな言葉とともに彼女は僕に腰を下ろした。僕の下半身は8分咲き程度であったがまぁ無事に挿入できた。

 

おめでとう!

 

めでたしめでたし。

 

(おわり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……これでいいですか?これ以上レポート必要ですか?あとは読者様のご想像に任せる感じじゃ……ダメ?

 

さて、どこまで話したかな。

現実は小説より奇なり、ハッピーエンドなんて贅沢なオチは滅多に存在しないわけで。

 

とにかく、無事に僕はみくちゃんで童貞を卒業したわけだ。

挿入後、から話そうか。

 

膣内は、窮屈だった。80%のコンディションでもしっかり圧迫感があり、とても暖かかった。

女性の象徴、生命の起源、約束された場所、そんなサンクチュアリに僕の下賤な欲望が侵略する感覚は、なんとも得難いエクスタシーを僕に感じさせた。

さて、侵略の次は、蹂躙である。全てを征服するために、僕は動き出した。ほどよい圧迫感が心地よかったが、しばらくするとだんだん飽きてきた。ナポレオンのシベリア遠征のごとく、僕の精力は徐々に徐々に削がれていき、ついに撤退をしてしまった。

一旦体制を立て直す。そう言ってもう一回なんとか戦える戦力をかき集め、8割程度の軍勢を揃え、もう一度侵攻することを決意。

「挿れるね」

再び返り咲こうという努力も虚しく、百日天下のごとく惜敗に終わってしまったのだった。

 

「あと2分」

僕は彼女に時間を尋ねると、無慈悲にも余命宣告をされてしまった。

もし今が戦乱の時代だったならば、懐に忍ばせていた刀で自らの喉を掻っ捌いて自害していただろう。

だが生憎僕の手元には彼女のたわわに実った2つの果実しか持ち合わせていない。

本当に自殺したくなった。生きてるのがつらいと思った。僕の背後にいた死神が囁いた。心が死んだ。人としての尊厳が奪われた。安楽死賛成を主張する。それでも僕は、声を絞り出して言った。

 

 

 

オナニーするんで、おっぱい触らせてください

 

 

 

いつもの数百倍本気で僕の左手はビートを刻んだ。

無理やりひり出した欲望は、彼女に届くことなく散華した。

彼女は黙って僕が1分で果てるのを眺めていた。

 

 

 

誰か僕を殺してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがだったでしょうか?

面白かったらコメントください。

最近巷でこのブログ静かにブームらしいんですが、

読者様の皆様のご声援が僕が筆を執る原動力でございます。

ファンの方、アンチの方、是非お褒めの言葉、お叱りの言葉などを、少しでも僕に見える形でぶつけていただけると僕も大変喜びます。

今後のモチベーションのためにも是非、よろしくお願いします。

 

反省点などは、次の記事に纏めると思います。

記事が長くなりましたのでこの辺で一旦締めさせていただきます。

 

2020.12.1 卒業生 ザキ

(終わり)